Saturday, December 24, 2011

impressing

“…汽車のなかよりもいいところはどこにもない。特急列車のことである。座り心地は、どんな安楽椅子よりもずっといい。広い窓から、川や谷や丘や村や町が通りすぎていくのが見える。目は、丘の中腹に出来ている道路や、その道路を走っている車や、川面に浮かぶ船の列を追いかけている。田舎の育んでいる豊饒さが、これでもかこれでもかと目の当たりに拡がる。ある時は小麦とライ麦、ある時はテンサイ畑と製油所、続いてみごとな大樹林、それから牧場、牛、馬である。切通しには地層が露出している。これこそすばらしい地理のアルバムだ。ページをめくる必要もなく、季節や天候によって日ごとに代わるアルバムである。丘の向こうには雷雨の気配が見え、まぐさを積んだ車がいくつも道を急ぐのが見える。また、ある時には、刈り入れをする人たちが金色の埃の中で働いていて、差し込む陽光に空気が震えている。これだけの光景がどこにあるだろうか。…”(「幸福論」Alain著,神谷幹夫訳)

この文章に震えました。

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